コラム

2014/12/02

担い手確保で一考(茨城・EM)

担い手確保で一考


▼日が差して影浮く―。震災復旧復興に加え、公共事業費の削減傾向に歯止めがかかり、さらには2020年東京五輪決定、リニア着工認可と、業界全体が活気づく一方で、人手不足、とりわけ若年入職者の減少が深刻の度合いを増す


▼「建設業に従事する3人に1人は55歳以上。そして20歳代は10人に1人しかいない」。建設産業を象徴する数字として、よく引用される。バブル崩壊後、20年に及ぶ建設投資の縮小過程で、就労環境の悪化とともに、世代構成はいびつになっていった。昨今、明るい兆しが見え始めるにつれ、人材確保の動きも活発化しているが、新卒者の求人事情は厳しい


▼「大学、専門学校はもとより、工業高校でも業界を志す生徒がいない」。とある県の教育委員会に、求人事情について認識をたただしたところ「厳しいという話は聞くが、取り立てて問題視はしていない」との回答。一方で、建設業同様に人材不足が深刻な介護福祉産業については、労働局や社会福祉協議会と連携し『キャラバン隊』を発足。入職支援の活動を展開しているという


▼もちろん、この県の建設部局では、業界団体と連携して体験実習や現場見学などを実施している。この県の姿勢を批判するつもりはない。ただ、前述のキャラバン隊では、PTAを集め、理解を深めてもらう取り組みを行っているとのこと。保護者を対象とした活動は、教委も巻き込まなければ難しいのかもしれない


▼教委いわく、「高校生の進路選択において、希望の職業に対するイメージや保護者の意見は大きな要素」だという。当人はもちろん、親へのアプローチの構築も必要だ。(茨城・EM)


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