コラム

2014/12/05

改めて災害から学ぶもの(山梨・HK)

改めて災害から学ぶもの 


▼御嶽山(おんたけさん)噴火から2カ月。第一報に触れたとき、いつにない驚きと言い知れぬ不安に襲われた。長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の噴火は、行楽シーズンの週末であり、昼時であったことから戦後最悪の火山災害となってしまった。思いもよらない、青天の霹靂(へきれき)で被害に遭われた方々はお気の毒に思うばかりだ


▼古来から日本に広まる山岳信仰の例に漏れず、御嶽山そのものがご神体とされ3神が祭られている。かつて目にした登山口に林立する霊神碑からは、人事を超えた厳かな力が感じられたことが思い起こされる。昔ならば、予期せぬ突然の噴火は神の怒りと捉えられたのであろう


▼東日本大震災以来、自然災害の折には「想定外」の言葉が報道にあふれていた。人間が考えもしないレベルの災害に対し、当然対策など立てられるはずもなく、ただただ自然の猛威に振り回されるばかりだ


▼ハード面の対策がおぼつかないならば、事前にその動きを察知し天災に備えるしかない。今回も何日か前から火山性微動は観測されていたようだが、立ち入り禁止など規制に至らなかったのは周知のとおり


▼今回の災害を踏まえ、活火山の麓に位置する自治体などは緊急に関係者を招集して会議を開いた。国交省も専門家を招いた「新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する懇談会」を開催。太田大臣は大噴火の可能性に言及した。「地震、雷、火事、親父」は過去の話。鳴りを潜めるのは親父ばかり。阿蘇山も噴火し、自然の怒りが日本列島に立ちはだかる。生命や財産を守るには日頃の備えが大切だと災害は教えている。(山梨・HK)


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