コラム

2014/12/06

百聞は一見にしかず(新潟・HT)

百聞は一見にしかず


▼業界の担い手確保の一環として、中学生や高校生の現場見学が多い。将来を担う若者が初めて見る建設工事現場はどのように映っているのだろうか


▼仕事で初めて佐渡島を訪れた。離島とはいえ日帰りである。船の時刻、現地での移動手段の確保、経路、費用など出発前に計画を練らなければ日帰りはできない。行けませんでした」「出来ませんでした」では、上司に「トキの餌になってしまえ」と言われるのが落ちである。ちなみに朱鷺(とき)のエサはカエルやドジョウ、虫であり、人は食べない


▼綿密に日帰り計画を立てたおかげで、現地でのトラブルもなく、予定の仕事をこなして、予定時間に帰りの船に乗れた。いや、正確には予定通りにしか出来なかった。有数の観光地でありながら、初めて訪れる緊張感から余裕が持てず、トキにあいさつすることも、おいしい海の幸を食べることもなく、真面目に仕事だけをして帰社してしまった


▼ただし、一度行けば、船の乗り方や移動手段、大まかな地形は頭に入る。次回は、もっと余裕をもって行動できる。余裕ができれば、海を眺める時間もあり、運が良ければトキにも会えるだろう。一回経験したからこそである。次回は休暇を利用して家族連れで行きたい。ジェンキンスさんに会えるかな


▼新聞やインターネットを使えば目的の情報を探すことは簡単だが、見聞に勝るものはない。危険やキツイなど一般的に悪いイメージがある建設業だが、見学会による中高生には、悪いイメージそのままに映ったのだろうか。これからさまざまな経験があるだろうが、再び業界に興味を持ってもらえれば幸いである。(新潟・HT)

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