コラム

2014/12/19

嗜好品にモラルを(埼玉・HK)

嗜好品(しこうひん)にモラルを


▼危険ドラッグに関するマスコミ報道は加熱の一途をたどっており、服用に伴う事件・事故などを扱うニュースが連日報じられている。愛知県に住む建設業兼ハーブ店経営の男とその家族らが製造容疑で逮捕されたニュースも記憶に新しい


▼警視庁が公表した今年上半期の危険ドラッグに係る検挙人数は145人、昨年同期比79人で120%も増加した。製造・販売などにとどまらず、所持・使用なども規制対象とする改正薬事法が4月1日に施行されたことが検挙人数増加の要因と考えられる。11月には、指定薬物と同等以上の毒性を持つ物品の販売まで規制対象を広げる改正薬事法案が可決された。今後さらに検挙人数が増加することも予測される


▼警察による危険ドラッグに係る業種別の取扱人数は無職、会社員に次いで建設業者が多数を占めると言われ、建設業界内でもその存在は無視できない事態になっている。危険ドラッグを取り巻く状況は、酒・煙草など嗜好品の行く末を見ているようだ


▼危険ドラッグが嗜好品に分類されていたかどうかはともかく、使用・所持などが違法とならない「脱法ドラッグ」として世に出回っていたことを忘れてはならない。酒・煙草は当然、使用や販売を認められているが、飲酒運転の厳罰強化や多くの自治体における路上喫煙禁止条例の施行など、二次的な事故や犯罪の防止策は着々と整備されている


▼「飲酒や喫煙自体が法的に規制されるわけが無い」と高をくくっているようでは、痛い目を見ることになるかもしれないのだ。アルコールやニコチンが禁止薬物とならぬよう、それを楽しむ者のモラル向上が今こそ必要だ(埼玉・HK)

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