2015/01/23
CM効果を体感した秩父路(埼玉・AO)
CM効果を体感した秩父路
▼西武鉄道のテレビコマーシャルが話題だ。『NHK花子とアン』で主演の吉高由里子を起用した「秩父 金よる旅」のCMを目にした読者も多いことだろう。埼玉県秩父地域の観光客にも新たな動きが出ているようだ
▼小学4年生の息子を連れ、ある日秩父に足を運んだ。お目当ては、和銅遺跡と銭神様で親しまれる聖(ひじり)神社。あやかって金運を呼び込もうという魂胆だった。聖神社は秩父市内の国道140号沿いに近い。駐車場には県外ナンバーが目立つ。階段をのぼりきると、雅楽が流れる拝殿と神社に寄り添う和同開珎(わどうかいほう)のモニュメントが多くの参拝者を迎える
▼和同開珎は、1300年前の708年(和銅元年)に鋳造・発行された、わが国最初の流通貨幣。708年は慶雲5年であり、秩父の地で自然銅が発見され、和銅に改元されたと教科書で習った。さらに奥へ進むと、和銅遺跡がある。ここから山道のようなルートを歩くこと約4分で、採掘場の跡地に到着した。ここはコマーシャルでも馴染み深い。こちらは高さ5mの和銅開珎モニュメントが居座り、その横には採掘跡がある
▼女子大生ぐらいの2人組が、スマホ片手にモニュメントの前で、写真を撮っている。いわゆる自撮り。上手に撮れないようで、何度もやり直している。思わず「撮りましょうか?」と声を掛けて、撮ってあげた
▼モニュメントの前に立つ2人のポーズに「CMみたいだね」と言いかけると、「CMと同じ場所で同じことをやってるんです」と返答された。なるほど、CM一つで、このような観光客を呼び込めるのか。TVやCMの効果を体感した秩父路だった。(埼玉・AO)