コラム

2015/01/24

小さなミスを見逃さない(新潟・YY)

小さなミスを見逃さない


▼食品への異物混入が相次いで見つかった。プラスチック片、ビニール片、虫、髪の毛、歯…どれも健康に重大な害を及ぼすものではなかったが、決して気持ちのいいものではない。もし、プラスチック片が鋭利な形のものだったら、ビニール片ではなく、ガラス片だったらと考えると背筋が寒くなる


▼とはいっても、食品加工業者が何も対策を取っていないわけではない。漫然と作業を行った結果、異物混入へと結びついたのであれば、同情の余地なく改善を強く求めるが、考えうる対策を講じてもなお、異物混入を完全に防ぐことは難しいようだ


▼消費者から苦情が寄せられるたび、事象、事故へ至った経緯を調べ、対策を考える。これは、食品加工業者だけではなく、全産業全体にも言えることだ。建設業でいえば、品質管理と並んで労働災害防止へ向けた対策に通じるところがある


▼建設業労働災害防止協会(建災防)が発表した統計資料によると、建設業における2013年の労働災害発生状況は、死傷者が1万7189人で全産業の14・5%、死亡者数が342人で同33・2%。いずれも20年前と比べ、大きく数を減らしているが、他産業に比べ、まだまだ重大な事故が発生する割合は多い


▼建設業でも大きな事故が発生するたび経緯を検証し、2度と起きないよう対策を図ってきたはずだ。完全に事故をなくすことはできないかもしれないが少しずつ改善していかなければならない。日常の何でもないような報告に耳を傾け、大規模につながるような小さなミスを見逃さず、一つずつなくしていかなければならない。一歩ずつ、一歩ずつ。(新潟・YY)


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