コラム

2015/01/28

労働者の管理徹底を(埼玉・HK)

労働者の管理徹底を


▼ベネッセコーポレーションの顧客情報が流出した事件は、発覚から半年以上が過ぎた今も終着を見ていない。東京弁護士会所属の弁護士などが呼びかけている同社への集団訴訟は日本全国から依頼が殺到しているとされ、同種の訴訟としては前代未聞の規模となる見通しだ


▼流出した情報は3504万件を数え、同社が展開しているサービスの性質上、幼児も被害に遭った。同社は取締役2人の辞任や漏洩の対象者に1件当たり500円分の金券を提供するなど、責任の全うを図っている


▼当時、同社は顧客情報のデータベースの保守管理などをグループ会社に委託し、さらに複数の外部業者に委ねていた。流出の原因は、グループ会社のシステムエンジニアを勤めていた派遣社員が顧客情報を外部に売却したことだった


▼先日、大手建設業者が元請けを務める現場に隣接するコンビニへ通りかかった際、その現場の作業員であろう若者がごみを道端に捨て現場へ消えていった。多くの建設業者が誇りを持って仕事に従事している中で、常識の無い人物が建設業に携わっていることを残念に思うとともに、大手建設業者が労働者を十分に管理できていない状況がベネッセコーポレーションの事案と重なって見えた


▼建設業は安全管理の徹底が推進されているが、危険と隣り合わせの仕事であることに変わりはない。顧客情報の流出が人命を脅かすことは無くとも、建設現場での管理不徹底は労働者をはじめ、完成後に利用者の危険につながりかねない。建設業者は今一度、自社に関わる労働者の管理について、足元を見つめ直すことが必要ではないか。(埼玉・HK)


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