コラム

2015/02/11

国民性の違いを越えて(群馬・MY)

国民性の違いを越えて


▼「日本に最も近い国はハンガリーである」と聞いて、何のことかお分かりだろうか。実は、遠く東欧にある同国が日本の国民性に最も似ているというデータがある。ちなみに2番目はポーランドで、隣国である韓国は39番目、中国は47番目と近くない。そのほかではドイツが8番目、フランスは28番目、アメリカは41番目。東南アジア諸国は60番台に並んでいる


▼これは、「ホフステッド指数」を用いた図り方。上下関係や個人主義傾向の強弱など、6つの指標を使用して65カ国で測定して国民性を数値化したもの。1980年に米IBMが開発し、調査は現在まで6回ほど行われている。国際企業の先駆けである同社が拠点を置く国々での働き方を考えるうえで導入して以来、海外進出を検討する企業が参考とするデータとなっている


▼ある団体の新年会を取材した際、国会議員が「外国人労働者の導入についても、きちんと検討している」と発言していた。復興事業の加速と東京オリンピック関連施設整備に向け、来年度から建設業の場に外国人の就労を受け入れが始まる


▼国はアジア諸国からの労働者を期待しているようだが、地方都市の工事現場でも多国籍な働き手が現れることになるのだろうか。ホフステッド指数を見る限り、想定されるアジア地域の労働者の国民性はわれわれと近くはないと言える


▼海外進出した企業が現地労働者と苦労する話はよくあるが、日本の建設現場でも働き方を巡り課題が出てくるだろう。労働災害など懸念は尽きないが、多国籍な力で作り上げる平和の祭典は、新しい日本の姿の断片を見せてくれるかもしれない。(群馬・MY)


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