コラム

2015/02/18

最上位計画ということ(東京・UT)

最上位計画ということ  


▼中央省庁は年間を通じ、いくつもの政府計画を作成している。ある省の職員は冗談交じりに「省内に、すべての計画を把握できている人はいないのではないか」と話していた。ただ税金を使っている以上、各種の計画を作り、その内容に基づいて施策を進めていくのは当然とも言えよう


▼様々な計画の中でも、建設業界が熱い視線を送っているのが国土強靭化基本計画だろう。内閣官房参与の藤井聡氏は、強靭化計画が各種計画の最上位に位置付けられていることが重要なポイントと唱えている。ほかの計画の指針となり、上からすべてに影響を与える存在とされている


▼国では、全都道府県と、できる限り多くの市区町村でも地域強靭化計画を策定されることが望ましいと考えている。促すための策として、交付金・補助金の出し方で一工夫することを決めた。国交省の「防災・安全交付金」や農水省の「治山事業」など、国の30メニューを対象に、交付・補助を決める際の判断材料として、地域計画に位置づけられていることを「一定程度」加味するというのだ


▼「一定程度」とは言っても、数値的に表せるほどに明確にはなっていない。省庁によって温度差が生じる可能性もあるが、配慮するという大きな方向性だけは、1月に開かれた関係省庁会議で合意した


▼巨大地震の切迫性も指摘されている中、災害時の影響をできる限り小さくするためにも、地域強靭化計画は必須だ。作る際は例えば防災課など、担当部署だけで検討すれば良いというものでもない。総合計画よりもさらに上位に位置付けられるものとして、首長のリーダーシップが肝要だろう。(東京・UT)


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