コラム

2015/02/19

雪害を教訓に(山梨・TH)

「雪害を教訓に」


▼昨年2月の豪雪から1年が経つ。自動車も立ち往生し、家屋も倒壊、食料も尽きてしまい、山梨県は大打撃をうけた。一部を除き、雪の降らない地域のため、これまでに大雪の備えがなかった


▼しかし昨年の雪害を教訓に、県内の各自治体が訓練を始めた。富士山に近い富士吉田市では、除雪説明会を開き、建設業者らに優先路線を確認した。雪の捨て場所については、昨年の経験を踏まえて新たな敷地を確保する見通しだ


▼また国土交通省甲府河川国道事務所では、大雪などの災害時に立ち往生した自動車を道路管理者が強制的に撤去できる法改正を受け、移動させる訓練を実施し、ドライバーに「放置する場合は、カギを車内に残し、ロックはしないでほしい」と訴えた


▼1年近くたった今でも、ブドウ農家は深刻な状況が続いている。ビニールハウスの倒壊など農業被害は約250億円にも上った。近くの農家では、農閑期となる昨年秋ごろにビニールハウスの再建を始めたが、資材不足で作業が進んでいない。原因は、ブドウ棚のコンクリート柱を扱う業者が少ないことだ。周辺自治体の農家が一斉に再建を進めてはいるが、人手不足は深刻だ。本年度中に再建を終えるのは厳しい。雪害により仲間意識が強固なものになったのがせめてもの救いだ


▼ただ陸の孤島状態期間を短縮できたのは、建設業者の活躍が大きい。不眠不休で除雪作業を行い、県民のライフライン復旧に努めて頂いたことに感謝をしている。山梨県内も一段と寒くなる。昨年の雪害で県民や行政も色々と学んできたが、なるべくならば、建設業者が出動しないことを祈りたい。(山梨・TH)


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