コラム

2015/03/03

大胆に無駄を省く(茨城・HS)

大胆に無駄を省く


▼橋下徹(はしもと・とおる)大阪市長を中心とする地域政党の「大阪維新の会」は、2010年に産声を上げた。その後、大阪維新の会を母体とする国政政党の「日本維新の会」ができ、紆余曲折を経て現在の「維新の党」が誕生した。自民党・民主党の二大勢力に対抗する第三極として期待され、国会議員の議席数は、民主党についで野党第2党の規模を誇る


▼大阪維新の会が最も声高に唱えるのが地方分権であり、いわゆる『大阪都構想』の実現だ。大阪府と大阪市の二重行政には多くの無駄がある


▼そこで東京都23区をモデルとし、大阪都と特別区に行政機能や財源をそれぞれ分けて行政の無駄を解消しようというのが狙いだ。すでに構想案はまとめられており、ことし5月には実現の是非を問う住民投票が行われる見通しとなっている


▼無駄解消の一環として橋下市長は、幹部会議への紙資料の持ち込みを禁止し、タブレット端末を導入してやりとりするという。タブレットであればちょっとしたメモをとることもできるし、膨大な資料を資料室で探す必要もなくなる。新年度当初予算案に計上するという200台分のリース費用、約140万円は適正な投資額になるのだろうか


▼かなり大胆なアイディアなので、始めのうちは不満が出ただろう。慣れない人は使いこなすまで時間がかかるかもしれない。ただ、ペーパーレス化が浸透すれば、無駄な印刷や製本がなくなり、時間も費用も節約できるようになる。紙を完全にゼロにするのは現実的でない。橋下市長の狙いも、まずは意識の改革からということのようだが、この試みがどこまで成功するか、行く末を見守りたい。(茨城・HS)


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