コラム

2015/03/07

自分でつくる時代(群馬・KS)

自分でつくる時代


▼頭と手を使って自ら進んで快適な生活環境や、ものをつくる「ドゥ・イット・ユアセルフ(DIY)」に注目した。日曜大工と言われた時代は過ぎ去り、いまや呼び名も意味合いも変化した。大工職のまねごとも、近年では装飾や趣味など生活全般にまで浸透し、暮らしに個性と快適性を生み出す創作活動として注目されている


▼世間の節約志向も相まって安い費用で自分好みに「ものをつくる」ことに若者も意欲的。ホームセンターはその機運を逃さず、初心者や女性向け商品を開発して魅力発信に力を入れている。これまでは職人の領域で難しい印象だったが、ニーズの変化や情報誌の宣伝と重なり、イメージが一新。手軽で安価にできるDIY活動は「おしゃれ・かわいい・かっこいい」というイメージが若者の間に加わった


▼賃貸住宅でも入居者が自分好みの部屋に自由に改装できる物件が登場するなど、自分でつくるニーズに合った住戸提供が出始めた。DIYの普及は、空き家対策手法としても注目されている。年々増加する空き家は、全国でも対応課題のひとつ


▼昨年11月には空き家対策特別措置法が制定され、人口減少が進む中でも空き家を活用して定住人口を増やしたり、法制度に基づく行政代執行ができるため、行政側も積極的な取り組みができそうだ。空き家賃貸方式も『借主負担DIY型』という新しい契約形態が生まれ、貸主・借主ともにメリットがあると話題だ


▼自分でつくる、ものづくりの機運が新たな住環境スタイルの一つの分野に確立できれば、空き家対策の一助になるかもしれないと、将来の町の行く末を考えて見た。(群馬・KS)


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