コラム

2015/03/13

品質確保の目的忘れずに(山梨・MK)

品質確保の目的忘れずに


▼昨年6月に改正された品確法の運用指針がまとまり、その周知が進んでいる。品確法を含む「担い手3法」の理念を、発注者、受注者ともに、いかに浸透させていくかが問われるようになった


▼略して品確法と呼ばれているが、正式には「公共工事の品質確保の促進に関する法律」。現在だけではなく、将来にわたって工事の品質を確保していくことが目的である。そのために、担い手の中長期的な育成や確保という発注者の責務が規定され、多様な入札制度を活用することなどを求めている。掲げられた目的の意味を、もう一度しっかりと認識したい


▼品確法が改正された背景には、建設投資の削減や若手入職者の減少などによって、「公共工事の品質確保」の担い手である建設産業が成り立たなくなってしまうという危機感があった。担い手がいなければ、どんな素晴らしい道路や建物を計画しても造ることができない。適切な維持管理も不可能だ。それではいけないと同法などが改正され、担い手の確保・育成が求められるようになった


▼弊紙がインタビューした佐々木基国土交通審議官は、担い手3法によって建設業を「当たり前の世界に戻す」と強調した。将来的に仕事の見通しが立ち、その産業を支える人がいる。そういう企業環境にすることで人を建設業に呼び戻し、建設産業を強くしていくことが必要だと


▼適正な予定価格の設定や歩切りを行わないなど、品確法によって定められた課題は多岐にわたる。発注者、受注者それぞれさまざまな事情があると思うが、「公共工事の品質確保」という目的を忘れずに、改善に取り組まれることを願う。(山梨・MK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら