コラム

2015/03/17

「ボカロ」の技術に思う(茨城・SA)

「ボカロ」の技術に思う


▼最近、CDショップで 「ボカロ」と書かれたコーナーが並ぶのを時々目にする。CDに描かれる表紙はアニメ風のジャケットで、一体何のキャラクターの歌なのかと気になって調べてみたところ、大手楽器メーカーが開発した音声合成技術による音楽「ボーカロイド」の略語だと分かった。とても乗りの良いビートの効いた軽快なリズムにあわせて、まるでロボットのような機械的な声が合成した、全く新しいジャンルの音が特徴だ。その不思議な音源が耳に残る


▼「ボカロ」はNHKのラジオで、学校名こそ聞き逃したが、楽曲技術を学ぶ学生たちの活動を紹介していた。ラジオで流れる番組専用のジングルを学生たちが独自に作り、上手にアレンジした音源作品を見事に披露していた


▼この機械的な声に入り混じって作られる作曲技術が今後進歩していけば、将来的には人の声をサンプリングし、今は亡き人が歌う新曲がボカロによって誕生する時代がいずれ来るかもしれない。声のサンプルが残る限り、新曲を出し続けられる


▼初心者でもボカロの制作を体験できる『ボカロPになりたい!』(集英社)が書店にて隔週刊で販売されていた。この本は、発刊されるごとにパーツが封入されているディアゴスティーニ方式で売られている雑誌である。最終的に30巻そろえば、作曲に必要な音源や、音楽合成技術が学べる


▼建設業界では今後人材不足により、若年者への技術継承が危ぶまれている。声を残し、1つの楽曲を作り上げるボカロの技術のように、ものづくりの技術を後世にも残す方法はないものか。時代に合った技術継承を望みたい。(茨城・SA)


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