コラム

2015/03/26

押し寄せる中国(茨城・HN)

押し寄せる中国人観光客


▼中国人観光客が中国の旧正月休みを利用して2月に、日本へ押し寄せたのは記憶に新しい。政府が外国人観光客の入国受け入れビザを緩和した影響が大きいと思われる。日本へお金を落としてくれることはありがたいが、メディアに「爆買い」呼ばわりされるほどに、中国人富裕層の買い込む姿には圧倒される


▼2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人技能実習生の受け入れが新年度から増えそうだ。本来の目的である技能実習生の人材育成に加えて、オリンピック関連施設の建設により、一時的な労働力不足に対応するためだ


▼現行の技能実習制度では日本で働ける期間は最長3年だが、オリンピックまでの時限的措置として、期間が2年延長(再入国でさらに延長可)される。一人前になったころ帰国しなければならない現状に比べれば、時限措置で多少は改善させるだろうが、地元企業にすれば、育てた良い人材を手放したくはない


▼ベトナム人の技能実習生を受け入れている鐵構業の企業を取材したときに、実習を終えたベトナム人は帰国後、日本の大手ゼネコンの現地技能者として働いていたという。技能実習制度は海外支店を持つゼネコンにはメリットがあるだろう


▼法務省の統計によれば、茨城県内の来日外国人は中国人が最も多く、技能実習生の割合も高い。外国人観光客のように技能実習生も、これからは中国人の割合が多くなるだろう。2年延長と言わず、きちっとマナーを教え、永住するような緩和措置としなければ、地元企業のメリットにはならない。バイタリティあふれる中国人のパワーを地元へ活かす仕組みが求められる。(茨城・HN)


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