コラム

2015/03/27

積算基準改定魅力の業界に(山梨・MK)

積算基準改定魅力の業界に


▼改正品確法が定めた発注者の責務を果たすため、国土交通省は4月から土木工事の積算基準を改定する。一般管理費などの率をアップさせ、間接工事費である現場管理費の率も引き上げる。直接工事費も施工パッケージ型積算方式で小規模工を中心に上昇。小規模工事は維持修繕用の歩掛かりも改定される


▼改定の狙いは、適正利潤を確保できる予定価格を設定すること。現場の実態に合わせ、人材の育成や確保に必要な費用を適切に積算基準に反映。公共工事の担い手を中長期的に確保するという改正品確法が求めることに対応する。担い手である建設業界からも歓迎の声が出ている


▼これまでも資材の高騰や人手不足などによって予定価格が市場価格や施工の実態に合っていないという声が出ていた。労務単価のアップとともに実態に合わせて積算基準を見直すことは、同省の担い手確保に向けた〝本気度〟が感じられる


▼最近は経済対策として公共事業費が増加し、受注を伸ばしている企業もある。しかし、積算が実態とかけ離れているため収益が厳しいと指摘されてきた。大きな産業が少ない地方では特に公共事業の効果が大きいといわれる。事業量の増加と適切な積算によって公共事業の効果が大きく発揮されることが重要だ


▼発注者である国は、労務単価や積算基準の改定で品確法が定めた理念の実現に動いている。今後は、担い手側である受注者の対応も求められる。土木工事共通仕様書には、適切な下請額の締結や労働環境の改善に努めることが加えられた。対策によって建設産業界の環境が改善され、少しでも魅力ある産業になってほしい。(山梨・MK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら