コラム

2015/03/28

新幹線開通その後(新潟・YY)

北陸新幹線開通その後


▼啓蟄(けいちつ)が過ぎ、春の陽気に誘われて日脚が徐々に伸び始めた3月中旬、梅の花のほころびをよそに、北日本にまた寒波がやってきた。海は大しけ、防風や吹雪によって交通機関は乱れた。しかし、北陸地方の人たちにとって14日の北陸新幹線開通は寒さも雪も吹き飛ばすくらい待ち望んだことだろう


▼交通手段が多い都会に比べると、地方は移動を車に頼ることが多い。朝の通勤・通学時間帯、突然の降雪や凍結により車の大渋滞が年に何度か起こる。いつもの2倍、3倍の時間をかけ、それぞれの職場や学校へと向かう。のろのろ走って、また止まっての繰り返し。燃料は普段以上に消費し、その分排気ガスも増える


▼通行規制や通勤・通学時間が重なることで起こる道路渋滞を避けるには、ほんの少し時間帯を前後に変えるだけでも解消できる。積雪や工事中でも比較的スムーズに車を走らせるには、車の通行台数を減らすことではなかろうか


▼個人個人では不便になるが、全体の交通の流れを考えて公共交通機関を利用するのがよい。強い寒波の到来などで路面状況の悪化が予測される場合は、特に混雑が予想される。公共交通機関を利用して通勤・通学時間を分散させたい


▼北陸新幹線開通により、東京―金沢間が2時間半でつながったことで、石川県、富山県では関東方面からの観光客、企業誘致による経済発展に期待を寄せる。しかし、裏を返せば北陸から関東方面への進学、就職で若者が流出することにもつながりかねない。少し不便でも魅力のある場所であれば地元に人たちはとどまってくれるだろう。北陸の真価が問われるのは、これからだ。(新潟・YY)


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