コラム

2015/04/10

率先して早期帰宅は可能か(本社・KK)

率先して早期帰宅は可能か


▼来春から有給休暇の消化が企業に義務付けられようとしている。有給休暇が取りづらいとされる日本の企業で、取得率がどの程度上がるのかは未知数だが、有給休暇が取りやすくなれば、今後は勤労者の意識も大きく変わるはずだ


▼「今日は一斉定時退庁日、健康と家庭の日です」。国の某省で流れるアナウンスを耳にしたことがある方も多いのではなかろうか。就業時間内に仕事を終わらせ、定時の退庁を促すものだが、裏を返せばアナウンスをしなければ、いつまでも仕事を続けてしまう体質があるといえる


▼建設工事の現場は日中の工事であれば夕方には作業が終わる。だが、現場監督には書類作成という仕事が残っている。公共工事の場合、提出書類の簡素化が進んでいるものの、依然として書類作成に追われ、残業が続くことに頭を悩ませているという話をよく聞く


▼建設産業が若者にとって魅力的で、働きたいと思わせるには労働環境の整備が不可欠。とりわけ休日を大事にする現代の若者は「週休二日制」を就職活動の際に重視する。ところが大半が屋外での仕事となる建設工事の現場では日々変化する気象条件の影響もあって「週休二日制」は実現できていないのが現状


▼先述のアナウンスは「管理職員は部下職員の手本となるよう率先して早期退庁に努めましょう」と続く。工事現場に例えれば管理職員は現場監督で、作業員の手本となるべく、率先して帰宅しなければならない立場ということか。現場を預かる責任者である以上、最後に帰宅するのはやむを得ないとしても、せめてもう少し早く帰宅できる体制を整える必要があるだろう。(本社・KK)


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