コラム

2015/05/30

休廃業・解散今後に注意を(山梨・MK)

休廃業・解散今後に注意を


▼2014年度の1年間に全国で「休廃業・解散」した企業は2万4153件判明したと帝国データバンクがまとめた。前年度と比べると0・2%減っている。14年度は倒産も減少しており、金融機関による支援や財政出動、株価上昇などアベノミクスの〝高揚感〟によって、「休廃業・解散」も「倒産」も減少したのではと同社は分析している


▼「休廃業・解散」した会社の代表を年代別に見ると、60歳代が全体の34%を占め最も多い。次いで70歳代の30%、50代の13%。これら世代だけで全体の4分の3となる。同社が本年1月に発表した全国社長分析調査では、社長の平均年齢は59歳。「休廃業・解散」した会社の代表者の平均は65・4歳で、開きがある。この差は拡大傾向にあり、高齢や後継者難を背景に「休廃業・解散」を選ぶケースが目立つという


▼全体の会社数の中で「休廃業・解散」が占める割合が高い都道府県は徳島県や愛媛県などの地方だ。関東甲信越では山梨県が上から7番目と高い。それを裏付けるように、県が定期的に発行している「公報」には建設業の廃止届が掲載されるが、最近の5月18日号にも廃止届出による許可の取り消しが10件あった


▼14年度は減少した「休廃業・解散」だが、同社では不安要素も指摘している。休廃業は将来性が乏しいことが原因となっているため、後継者難で自ら幕を下ろすことができないまま倒産に至る企業も同時に増えるのではとの懸念だ


▼「休廃業・解散」は減れば良いというわけではない。倒産となってしまう前に〝円満に退出〟という側面もある。今後も動きに注意が必要になろう。(山梨・MK)


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