2015/05/02
茨城学生建築展への期待(茨城・KM)
茨城学生建築展への期待
▼茨城県建築士事務所協会が昨年、創立30周年を迎えた。同協会は、地域の周辺環境に調和し、景観上および機能性に優れている県内の建築物などを「茨城建築文化賞」として毎年表彰したり、若手プロポーザルコンペも実施。コンペは、これまでに「県営桜川アパート内集会所」「県警察高萩警察署大津地区交番」「笠松運動公園トイレ設計」の3カ所でプロポーザルを行った。笠松運動公園トイレの設計は、受賞者へ県が実施設計を委託する仕組みとなっており、実益も兼ねた賞となっている
▼このように積極的な活動を実行している協会が、2014年度から取り組み始めたのが「茨城学生建築展」だ。この建築展は、優秀な作品を表彰することで、学生へエールを贈るとともに交流を深め、建築設計業界が社会に貢献するための下地づくりを行うもの
▼記念すべき第1回は、県内の国立大学、専門学校、県立高校の計9校が参加。応募のあった37点の中から県建築士事務所協会賞や県建築士会賞、笠間市長賞など7賞に9作品が選出された
▼会場となった笠間市の「笠間の家」にビッシリと並べられた作品からは、学生の情熱がひしひしと伝わってきた。受賞したある大学生は、受賞の喜びとともに「まず校内で選抜されるのが大変だった」とコメント。賞の創設が学内での競争にもつながり、良い刺激となったようだ
▼参加者からは「テーマが決められておらず戸惑った」との声が少なからずあったが、茨城学生建築展は産声を上げたばかり。この建築展の成熟こそが、茨城県内の建築文化のさらなる発展と全体の底上げにつながってくれることだろう。(茨城・KM)