コラム

2015/05/08

65歳定年制とNHK(茨城・HS)

65歳定年制とNHK


▼テレビはそれ自体では放送を受信できず、アンテナに接続することで各局が配信する番組を視聴できる。インターネットの普及や趣味の多様化でテレビ離れが進む昨今、ある発明が一部で注目を集めた。筑波大学視覚メディア研究室が開発した「NHKだけ映らないアンテナ」だ


▼放送法では、NHKの放送を受信できる設備を設置した者は受信契約を結ぶ義務が生じると規定している。契約者の受信料未払いに対する裁判では、NHKは最高裁で勝訴している。ただ、契約を結ばないことに対する罰則は規定されていない


▼NHKの人気番組の1つに、放送開始から20年以上続く『クローズアップ現代』という報道番組がある。しかし、その内容に「過剰な演出」があったのではという批判を踏まえ、取材が不十分だったとして謝罪する最終報告が公表されたが、やらせ疑惑は払拭できなかった


▼民放の中には面白ければいいと開き直る局もあるが、さすがに公共放送のNHKはそうも言っていられない。ただでさえ、総事業費約3400億円の新社屋や関連団体が平然と行う営利活動、パソコン・スマホにも受信料のネット課金を画策し視聴者の反発を招いている


▼NHKは視聴者の受信料で成り立っているが、さらなる不祥事が続けば存在意義を問われ兼ねない。国営放送にして税金で運営するという考えに賛同する人も多い。「NHKだけ映らないアンテナ」が世に出回れば、契約解除が後を絶たなくなるだろう。NHKは設立から今年で65年。65歳定年制は2025年度スタートだが、一足先にNHKのあり方を議論するのも良いのかもしれない。(茨城・HS)


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