コラム

2015/05/12

技能者確保の取組(茨城・HN)

技能者確保の取り組み


▼建設現場で下請業者(協力会社)の不足が続く中、少しでも有能な技能労働者を確保しようと元請け各社の取り組みが始まっている


▼鹿島建設㈱(東京都港区)は、技術者や技能労働者の処遇改善に向けた取り組みとして、工事に貢献が大きい優秀な職長を登録して手当てを支給する、通称「鹿島マイスター制度」を新設。年間10万円を限度としていた報奨金制度の上位にマイスター、さらにその上位にスーパーマイスターを置く


▼マイスターを約500人認定し、現場における一年間の勤務実績に応じて日額1000円を支給。さらに優秀な約100人をスーパーマイスターとして認定し、翌一年間の実績に応じて日額3000円を支給する。200日換算で年間20万円、スーパーマイスターにあっては60万円。ゼネコン各社で報奨金制度を設けている企業はあるが、この60万円は業界でも最高水準だ


▼破格の報奨金制度を設けようとする背景には、深刻な人手不足と2020年の東京五輪に合わせた建設特需がある。ゼネコンはこれまでも、各社独自の研修を設けるなどして協力会社の育成を図ってきた。だが公共投資のピーク時である1998年を境に、建設業界全体の状況が悪化傾向に。ゼネコンと同様、協力会社の体力も落ち始め、経営維持すら困難な企業が増加の一途をたどった


▼ところが、東日本大震災を契機に建設需要が急増。東京五輪の特需と重なって、協力会社を急募する流れに。とは言え、昨日今日で優良な協力会社が確保できるわけもない。もう一度、わが社に返り咲いてもらおうとするゼネコンの思惑。果たして、その結果やいかに。(茨城・HN)


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