コラム

2015/05/23

交通以外にも万代橋効果(新潟・TN)

交通以外にも万代橋効果


▼新潟県を代表する万代橋(ばんだいばし)。信濃川を渡るこの橋は、新潟駅から北へ走る新潟市内のメーンストリートの一部。橋長約307m、幅員22mで、大規模なコンクリートアーチ橋。重要文化財に指定されており歴史的・文化的にも貴重だ


▼県外の出身者が初めてみると、側面に御影石を使用しレトロな趣を大いに感じさせるなど、写真では分からない雄大さに圧倒される。休日ともなると、周辺の川岸で家族連らがシートを敷いて弁当を食べたり、カメラ片手に撮影にいそしむ人がいたり、テレビで撮影場所に使われなど絵になる風景がそこにある


▼しかし、歴史をひもといてみると、現在の姿は2回架け替えたもので3代目とのこと。当時は新潟県予算の2割程度の事業費となるなど、お金のない時代、「豪華すぎる」との批判も出ていたようだ


▼近況については、大学教授など専門家が参加し、橋周辺から上流へ向け約4㎞区間の川岸で、公園などの整備に向け話し合う「やすらぎ堤防デザイン検討委員会」も設置。「カフェを置いたら良いのではないか」や「キャンプ場を整備すれば〃売り〃になるのでは」など、様々な意見が出ている。この委員会では橋自体の整備は含まれていないが、起点となる万代橋が彩りを添えているのは間違いない


▼この橋は、ランドマークとしての〃点〃以外に、川の両岸をつなぐ〃線〃としての役割を果たしている。しかも、景観として人を集めるなど〃面〃を考慮すると、交通機能以外の効果は非常に大きい。魅力的な橋があることで人が集まり、人が集まることでまた橋が輝く。そんな相乗効果がある気がした。(新潟・TN)


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