コラム

2015/06/17

品質と価格の均衡(埼玉・HK)

品質と価格の均衡


▼『仮面ライダー』シリーズに代表される特撮ヒーロー作品には、洗練された撮影技術は当然のこと、最近は戦闘シーンでふんだんにCGが活用され、臨場感のある映像が目白押しだ。幼児に、弱い人々を守ることの大切さを教えてくれる心強い教材でもある


▼現在放送中の仮面ライダーはバイクに乗らず車で移動する、その名も『ドライブ』。警視庁特状課巡査、泊進ノ介が変身する。変身にはドライブドライバー(変身ベルト)、シフトブレス(ブレスレット)、シフトカー(特殊なミニカー)を使う。ドライバーに付いている車のキー状のスイッチを回すとエンジン音とともに始動。ブレスにシフトカーをセット、車のシフトレバーを操作するようにシフトカーを動かすとドライバーが反応し、「変身!」の掛け声でヒーローの姿となる


▼これを模した玩具も発売されている。デザインは忠実に再現され、ブレスとドライバーの連動も赤外線通信により劇中人物さながら。多種多様なシフトカーが次々に発売され、遊びの幅を広げることができる。シフトカーは1台500円程度で「週一個くらいなら」と購入してしまいそう


▼この商法、過去のシリーズにおいても同様に展開された。メーカー、遊ぶ子ども、買い与える大人のそれぞれのニーズが満たされた成功事例と言えるだろう


▼昨今の建設業界では入札不成立が相次ぐ。最小限の支出にとどめたい発注者と受注者の考え方の隔たりが一因と考えられる。ヒーローの玩具のように、品質と価格の適正な均衡こそが、誰もが豊かに生きられる社会を実現する公共事業のあるべき姿ではないか(埼玉・HK)


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