コラム

2015/06/18

労災は他人事ではない(茨城・EM)

労災は他人事ではない


▼茨城労働局が発表した昨年1年間の県内労働災害発生状況によると、建設業における休業4日以上の死傷者数は375人。前年に比べ17人、率にして4・7%増加した。死亡者数に限ると16・7%減だが、10人もの尊い命が失われた


▼一昨年の死傷者数は前の年に比べ80人、18・3%の記録的減少となったが、好転続かず。事業量の多寡によるところも大きいが、労災撲滅の歩みは3歩進んで2歩下がる状況。それでも死傷者数は500人から400人、そして300人台と推移。各社の取り組みは実を結びつつある


▼業種別に見ると、土木は78人(うち死者1人)で前年から23人減少した一方、建築は192人(同6人)で16人増、その他は105人(同3人)で24人増。とりわけスレート屋根の踏み抜きによる重大事故が目立ち、同局は数度にわたり建設関係団体へ対策を強化するよう緊急要請した


▼そして、ことし。4月末の速報値では、死傷者数こそ89人で前年同月に比べ11・9%(12人)減少しているが、死亡者数は6人。前年同月が3人だったことを考えれば看過できない状況だ。業種別内訳は、土木が1人減の23人(うち死者1人)、建築が7人減の41人(同4人)、その他が4人減の25人(同1人)


▼2月には60歳代・職歴50年の大工が店舗新築現場で、2階床面の墨出し作業中に開口部から1階床面へ墜落し死亡。3月には50歳代・職歴28年の板金工がスレート屋根改修のため墜落防止用ネットを設置中に、屋根を踏み抜き5m下の床面に墜落、死亡している。他人事と考えず、あらためて作業に向かう姿勢を見つめ直してほしい。(茨城・EM)


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