コラム

2015/06/27

火山はメッセージ?(新潟・SS)

火山はメッセージ?


▼口永良部島で先月新岳が噴火した。昨年は御嶽山の噴火で多数の犠牲者を出し、今年に入ってからは桜島、蔵王、箱根山や浅間山で火山活動が活発化。日本が火山大国であることを再認識した


▼震災以降、再生可能エネルギー固定価格買取などで、屋根にソーラーパネルを設置する家も増え、空き地だった場所にいつの間にかソーラーパネルが並んでいたりと、太陽光発電の拡大を実感することができるが、太陽光の拡大に比べ、あまり注目されなかった地熱発電では環境省が2015年度の助成金を90億円に拡大し電磁探査などの地表調査に対して費用3/4、ボーリング調査には1/2まで負担し、地熱発電の拡大を図る


▼その助成を活用し、昨年度から2000kWの地熱発電の事業化に向けた調査を進める新潟県糸魚川市は、今年度JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)との共同でボーリング調査を実施する。ボーリングの費用は約6億円で、太陽光発電など他のエネルギーに比べ事前調査に多額の費用が掛かることが分かる


▼地熱は太陽光に比べ準備や整備には手間がかかるが、一旦井戸さえ掘れば24時間、天候に影響されず発電可能。稼働率は太陽光の12%、風力の20%に対し地熱は70%と、最も安定して発電できる再生エネルギーといえる


▼しかし日本は地熱の資源量が世界で3番目に多いにもかかわらず、地熱発電量は世界で7番目。一方で地熱資源量が日本に次ぐ4位のフィリピンは日本の4倍、世界2位の発電容量を有する。最近の活発な火山活動は「日本には沢山地熱がありますよ」というマグマからの熱いメッセージに聞こえる。(新潟・SS)


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