コラム

2015/07/01

トカゲのしっぽ切り(群馬・SS)

トカゲのしっぽ切り


▼3月に開幕したプロ野球も間もなく前半戦が終わる。下馬評通りに戦っているチームもあれば、予想より健闘しているチームもある。そして、想定外に失速しているチームも


▼ことしは多くの野球評論家がオリックスバファローズをパリーグの優勝候補に挙げていた。国内で高い実績を持つブランコ選手にバリントン投手、日本ハムから小谷野選手、海外からは中島選手と、ビッグネームを次々に獲得。メジャーリーグ移籍が取りざたされた金子投手も残留した。去年は最終盤まで優勝を争ったチームが大金を投じ、これほどの補強をしたのだ。優勝候補に挙がるのも自然だった


▼ところが、である。最初の17戦で2勝14敗1分にまで落ち込み、4月のうちに大勢が決まってしまった。森脇浩司監督は途中で「休養」という名の解任を余儀なくされた。球団が大規模な補強を行ったにもかかわらず、うまく機能させられなかった責任を一手に背負わされた形だ


▼球団のこの振る舞いには批判も多い。もちろん森脇監督にも一定の責任があると言わざるを得ない。それでも「大型補強は球団主導で進められた。責任を負うのは現場よりフロントだ」といった声があちこちから聞かれる。一野球ファンの立場から見てもトカゲのしっぽ切りのように映る


▼失敗を改めるには、その原因を追及し根本から改善するしかない。だが今回、オリックス球団は現場に責任を負わせてしまった。もしかしたら近い将来、再び同じようなことが起こるかもしれない。思い起こせば、森脇監督自身も前任者の「休養」に伴い監督に就任した。今後のオリックス球団の展望を憂慮している。(群馬・SS)


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