コラム

2015/07/09

商圏拡大と深耕拡大(埼玉・HK)

商圏拡張と深耕拡大


▼大分県に本社のあるファミリーレストランチェーン『ジョイフル』は6月30日現在、全国に754店舗を展開している。黄色地に赤いアルファベットのロゴが踊る看板を、近畿地方以南の在住者は毎日のように目にしていることだろう。一方で、関東近郊で見かけることはそれほど多くないかもしれない


▼それもそのはず、店舗数は九州・沖縄エリアが407店と大半を占めている一方で、関東と中部エリアは、合わせて107店となっている。都内には3店舗あり、赤坂店は4月にオープン、複数のウェブニュースなどに取り上げられた


▼「地域で一番安価で、一番身近なレストラン」が創業以来の目標。中核都市にとどまらず「コンビニが立地していない町」にも積極的に展開する。ファミレスチェーンとして高品質で低廉なメニューを提供するだけでなく、地域に根ざし地元に貢献する理念を持ち続け、地元住民が集うコミュニティの場としての役割すらも果たしている


▼実際に、地方や離島でも見かけることがある。地元の子どもたちに「ジョイフルはごちそう」と言わしめるほどまでに愛されるのは、レストランとしての質の高さだけでは成し得ないことではないだろうか


▼どの業界においても商圏の拡張、いわゆる新規開拓は経営の重大な要素と言われるが、それだけでなく既存の客層との関係性を深める、いわゆる深耕の拡大を両立させることこそ成功への近道ではないだろうか。ジョイフルが老若男女の瞳に魅力的に映るのは、それをおろそかにせず、適切な均衡を保ってきたからなのではないかと、日替わりランチを食べながら考えてみた。(埼玉・HK)


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