コラム

2015/07/15

人を育てることの難しさ(長野・JI)

人を育てることの難しさ


▼わがままで感情の起伏が激しく、友人から愛想をつかされつつも可愛がられ、誰にでもキスをする。好きなことには時間を忘れて没頭し、苦手なことは傍観する‐。幼稚園で問題児となっている5歳の娘の話である。甘やかしてきたわけではないが、手に負えない状況だ


▼幼稚園に入る前は口数の少ない静かな子だったが、成長するごとに激しい性格の持ち主になった。親としても、あの手この手で『良い子』にしようとするのだが、なかなかうまくいかない。感情が暴発した際の対応について幼稚園から相談を受けるのだが、こちらも困っているので正解を伝えられない。家庭と幼稚園の両者で、ゆっくりと時間をかけて育てていくしかないのだろう


▼『担い手育成・確保』という言葉を多くの場面で聞く。その取り組みの一環として行なわれる、土木や建築を学ぶ高校生を対象とした現場研修も数多く取材する。生徒を見ると、積極的に作業を行なう者もいれば、後ろで見ているだけの者もいる。騒いでいる者もいる


▼建設業団体による、会員企業の新入社員らを対象とした研修を取材した。話を聞く、元気に行動するといったメリハリが見られる。責任感や意欲の差なのだろうか。年齢はさほど変わらないが、社会人と高校生は、研修に向かう姿勢が大きく異なる


▼育児も人材育成も、どちらも教育の問題。いかに教えるか、徹底的に考えて実践する必要がある。しかし教え込むだけでは身にならない。教育を受ける者に学習意欲があればこそ、教育内容が本人に蓄積される。5歳の娘も返事は元気。親の言葉が心に届いていると信じたい。(長野・JI)


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