コラム

2015/07/17

お~いお茶と女性活躍(新潟・TN)

『お~いお茶』と女性活躍


▼二十代の姪(めい)っ子に緑茶の『お~いお茶』(伊藤園)の商品名の由来は何かと聞いてみた。当然若いので知らなかったが、ある程度年齢を重ねた人も気が付く人は少なくなっているのではないだろうか


▼この商品は、まさに昭和の象徴だった。一家の主人が、お茶が飲みたいときに「お~いお茶」というセリフを使う場面を思い出させる。伊藤園のホームページによると、ネーミングの由来は40年程前の劇団で新国劇の島田正吾氏が「お~いお茶」と呼びかけるCMをテレビで放映し、視聴者から好評を博したことから、1989年に、それまでの商品名『缶入り煎茶』から現在の名前に変更したという。由来となったCMがあったのは少し意外である


▼さらに探索すると、この商品はそれまでの「お茶は暖かいもの」から「お茶は自宅や会社で飲むもの」にイメージを刷新し、冷たい緑茶が全国に広まるきっかけになったとも記している。商品名を変更しただけで、売上が6倍近い40億円にのぼったそうだ


▼しかし、この商品名について男尊女卑ではないかとの異論もネット上にあがった。男性が「お茶を入れて持ってこい」という、やってもらって当然というイメージがあったためだ。伊藤園の暖かい家庭のイメージと違う趣旨で受け止められていたようだ


▼建設業は今、女性活用という言葉がこれからの業界を変えていくキーワードとして、しばし取り上げられている。女性活用どころか女性活躍のほうが良いのではとも言われる昨今、言えは出てきそうな当時の「お~いお茶」のネーミングの由来を知らない方は、今後ますます増えるかもしれない。(新潟・TN)


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