コラム

2015/07/22

人口流出を止めるには(茨城・KM)

人口流出を止めるには


▼水戸市の人口動態調査によると、2014年の1年間で市の人口が7人減った。05年に旧内原町と合併し、現在の市域になってから初の減少を記録。また関東信越国税局が公表した2015年分の路線価では、前回、最高路線価だった水戸駅北口ロータリー(水戸市宮町1丁目)が下落。つくば駅前広場線(つくば市吾妻1丁目)が最高路線価となるなど、水戸市に逆風が吹いている


▼水戸市の高橋靖市長は7月8日、県央地域の9市町村で定住自立圏構想を形成するにあたり、圏域の中心的な役割を担う「中心市宣言」を行った。定住自立圏構想は、住民サービスの向上や都市部への人口流出防止などを目的とする総務省の事業で、目的に沿った事業を行う市町村には同省が財政措置をする


▼今回、水戸市と定住自立圏形成を目指すのは、ひたちなか市、笠間市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村。これら県央地区9市町村は、来年3月までに医療や福祉などの連携内容や役割を定めた協定の締結を目指す


▼つくばエクスプレス沿線を中心に盛り上がる県南地域に押され気味な県央地域。しかし、ロックインジャパンフェスティバル効果で「ひたちなか」の知名度は抜群。大洗町もガールズ&パンツァーの聖地として、人気を博している


▼行政サービスなどを分担する定住自立圏構想で中心になるのは水戸市だろう。しかし活性化では、それぞれの地域が新たな魅力を持ち始めている今、それぞれの強みを生かしながら連携すれば、効果は2倍3倍になるのではないだろうか。地域の盛り上がりでも、きっと人口流出は食い止められるはずだ。(茨城・KM)


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