コラム

2015/07/29

変える意識を持て(群馬・AN)

変える意識を持て


▼変化するという意味では同じようだが「変わる」と「変える」は、まるで異なる意味合いを持つ。いわゆる自動詞と他動詞の違いで「変わる」が自動詞、「変える」が他動詞。「変わる」は、環境などによって自然と変化する。「変える」は、自分の意志で変化するという形にそれぞれ分けられる


▼担い手3法の改正により、建設業界は大きく様変わりするとの期待が膨らんでいる。このうち、改正品確法では、公共工事の品質を確保するために「将来」という時間軸が加わり、さらには「担い手」といった文言が追加された。品確法の施行により、各自治体は発注者の責務として将来にわたる担い手の育成を進めていくことになる


▼改正品確法に基づき、各自治体の発注関係事務を適切かつ効率的に運用するための運用指針が取りまとめられた。これには、適正な利潤確保を目指した予定価格の設定や歩切りの根絶、適切な設計変更などが必ず実施すべき事項として盛り込まれた


▼歩切りの根絶については、国もかなりの力を入れている。1月に各自治体へ実施した実態調査において、歩切りを行っているとの回答があった発注者を対象に追跡調査を実施。各自治体からの回答期限は7月下旬で、国による聴取、改善を促しても歩切りの廃止に理解を得られない場合は、早ければ年内にも個別発注者名を公表するという


▼歩切り根絶の機運は高まっているが、業界からは「もっと取り組んでほしいのは、現場の生産性向上」との声も多数耳にする。歩切りの根絶、適切な設計変更も発注者次第。「変わる」のではなく「変える」意識が今強く求められている。(群馬・AN)


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