コラム

2015/08/04

加速するロボット導入(茨城・HN)

加速するロボット導入


▼建設現場で、ロボットの導入による生産効率化への取り組みが進んでいる。2004年に筑波大学の山海嘉之(さんかい よしゆき)教授がサイバーダイン㈱(茨城県つくば市)を設立し、世界最初のサイボーグ型ロボットを開発した


▼医療福祉での実績を経て、昨年には「作業支援用HAL(ハル)」の腰補助タイプ、いわゆるロボットスーツをリリースした。身体に装着することで人、機械、情報を融合させ大きな力が出せるというもの。約3㎏の軽量タイプで、腰に取り付けると、重い荷物が実際の6~7割の感覚で持ち上げられることから、腹痛を引き起こすリスクを減らしながら作業できる。㈱大林組に有償レンタルで機体5台を納品して共同で実証を進めている


▼5月には大和ハウス工業㈱(大阪府)の建設現場などに10台を導入。1年をめどに現場での作業状況を適宜フィードバックするなどして実証実験を行っている


▼ドローン(小型無人機)の活用も進む。現場の全景写真を、高所作業車などを使わずに撮影できるため中小建設業などに拡大。北茨城市の五浦海岸周辺における崖の侵食対策を進めるにあたって現況地形を把握する調査も進む


▼深刻さを増す建設業界の人手不足と労働者の高齢化。総務省の労働力調査によれば14年の建設業就業者数は505万人で、ピーク時の1997年から3割近く減少するという。建設経済研究所も、高齢化が進み若手入職者が減り続ければ25年には241万人になると推計。そんな状況への打開策として期待されるのがロボットやドローン。新たな時代への適応力と、先見の明を持つことが、次世代を生き抜くキーワードとなる。(茨城・HN)


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