コラム

2015/08/27

業界は自由研究の活用を(茨城・KM)

業界は自由研究の活用を


▼8月の、この時期になると、小学校時代に感じた焦燥感に駆られる。あっという間に過ぎ去る夏休みの日々を尻目に、一向に減らない宿題の山。「終わったの?」。日々大きくなる、進捗を確認する親の声と、小さくなるこちらからの返事。最終的には、しびれを切らした親との共同作業となることも


▼小学校高学年でアリジゴクをテーマに自由研究を行った。巣に昆虫などを投げ入れ「食べる、食べない」の調査を実施。すべての結果を大きな模造紙に書き込み、誰の手も借りずに完成させた自信を胸に学校へ持って行った


▼同じような本を参考にするためか、同学年の3人がアリジゴクをテーマに自由研究を行っていた。内容もまとめ方もほぼ一緒。だが「ダンゴムシを食べるか、食べないか」についての結果が、私だけ「食べない」となっていた。親の力を借りずに完成させた自信が不安に変わり、掲示中は居心地の悪さを感じ続けた


▼日本能率協会が6月に小学生の親1000人を対象に行ったアンケートで、「夏休みの宿題を手伝ったことがあるか」の問いに対し、65・4%が「ある」と答えた。昨夏に子どもが苦労して取り組んでいた宿題は「自由研究」が69・9%で最多。苦労する宿題に家族で取り組む姿は、今も昔も変わらないようだ


▼最近は、自由研究用の企業イベントが各地で開催されており、親子連れで賑わっている。担い手確保が大きな課題となっている建設業界、手をこまねいている場合ではない。子どもに業界への興味を持たせるだけではなく、親の持つ「建設」へのイメージを変える一石二鳥のチャンスが転がっている。(茨城・KM)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら