コラム

2015/09/01

ローカル局が持つ強み(茨城・SA)

ローカル局が持つ強み


▼故郷の地元ローカル放送局が開局からことしで45周年を迎えた。お盆休みの帰省中に記念する特別番組を偶然視聴する機会に恵まれ、昔の同級生に遭遇する気分をしばし味わった


▼番組では事件、事故といった山梨県内をにぎわせたニュース。時代の舵取りを担った知事や政治家。解体されたはずの駅舎や建築物など、時の流れで色褪せてしまった映像から、その当時の出来事が同時に頭の中を回顧する


▼ローカル局の存在は、身近な催し物の紹介や、ご当地グルメを扱う食事処の情報。事故や災害といった地元の情報を細かく収集できることが強み。視聴者もコーナーの司会を務める番組もあり、地元民も主役になれることも。特に視聴者が印象に残る番組は、視聴者参加型の「カラオケ大賞」が好評だったそうだ


▼ところで国内でローカル局がない茨城県。地元放送局はAMラジオ局や、出力数の制限があるコミュニティラジオのみ。県内では地上波の在京5局であるキー局が受信できるため、十分な情報は得られる。しかし、前述した特番の中でローカル局の存在について視聴者からは「地元に密着している情報」「視聴者参加型が良い」といった声が強く残った。県外から移り住む人や、県内在住者にとっても、地元をより深く探るための放送局の必要性を実感した


▼特番を振り返ると、長い間積み重ねた情報は、後世に引き継がれた後、大きな財産になり得る。情報を発信する者は新しいものを伝えると同時に、歴史を記録する役割を担っていることに気づいた。購読者に対し、お役に立てるような情報を提供できるよう心して取材に努めたい。(茨城・SA)


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