コラム

2015/09/02

インフラは観光資源(東京・KK)

インフラは観光資源


▼トンネル、ダムをはじめとする世界に誇るべき土木技術や優れた性能を持つ土木構造物などのインフラ施設を観光資源にした「インフラツーリズム」が全国各地で進み、人気を博している。政府の日本再興戦略において成長戦略の一つに位置付けられたこともあり、今後も大いに注目を集めそうだ


▼国土交通省の地方整備局や都道府県が旅行会社と連携して見学ツアーを組むインフラツーリズムはバス料金や飲食費を含めて有料の場合も多いが、高い人気を誇るツアーもある。これまでに実施済みのツアーは親子で橋の点検を体験するものや、ダム探索と食べ放題の食事を一緒にした企画など多岐にわたり、大人から子どもまで幅広い年代が楽しみながら参加する


▼最近では工事中の現場や完成した施設の見学会が毎日のように行われている。見て、触れて、学ぶことができるインフラが地域固有の観光資源として有効であることの証明といえる


▼当初計画を白紙撤回して新たな整備計画を策定した「新国立競技場」は、今月1日から事業者選定手続きが始まり、東京五輪・パラリンピック開催前の2020年春の完成を目指している。建築物ではあるが周辺整備を含め、施設の建設中も建設後も観光資源としての価値は十分にある


▼新たな競技場がどのような姿になるのかはまだ分からないが、日本らしさに配慮し、世界の人々に感動を与える場となる施設がきっと完成することだろう。当初計画の経緯、見直し後の事業工程と併せて、新たな競技場を観光し、勉強することは国内外からの訪問者にとって非常に魅力的なものになるはずだ。(東京・KK)


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