コラム

2015/09/04

モノ言える世の中(埼玉・AO)

モノ言える世の中に


▼今の日本で、社会資本整備の必要性を訴えたらどうなるのか。社会資本整備が仕事と密接に関わる業界ゆえ、読者諸氏からは批判の声は上がるまい。しかし、大手マスコミをはじめとする論調は、社会資本整備を悪だと一方的に決め付ける節がある


▼先日、『超インフラ論 地方が甦る「四大交流圏」構想』(PHP新書、藤井聡著)を読んだ。先進諸国の中で、高速道路や新幹線などの高速移動手段の整備が最も遅れているのが日本だと様々なデータを駆使し分析。全国に高速道路網、新幹線網が確立できれば、インフラ整備への直接的な投資にとどまらず、計画段階から周辺の投資が始まり、整備後も大きな経済効果が生まれる。さらに大規模地震など懸念のある東京に、一極集中する必要もなくなり、地方創生、活性化は確実なものになるだろう、と記す


▼地震、台風、大雨が多い日本の地理的条件から、まず取り組むべき災害対策を挙げた上で、国際競争に生き残るための社会基盤整備を求めている。それこそ、日本人の英知を結集して実行すべきだろう


▼このままでは、日本の地盤沈下がますます進んでしまうのは、火を見るより明らかと痛感したのだが、著書に繰り返し出てくるのが先の論調だ。イメージ先行で、社会資本整備の必要性をしんから論じることすらできない状況にあるという。国内に数多あるタブーの1つだ


▼しかし、必要な正論をかき消されてしまっていいものだろうか。地方が元気になって、日本が活気付くためには、地方での取り組み、国の後押しの必要性を、もっと議論を戦わせて未来につなげていくことこそが大切だろう。(埼玉・AO)


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