コラム

2015/09/05

企業の立地へ工場跡地注目(山梨・MK)

企業の立地へ工場跡地注目


▼関東経済産業局が、関東圏の2014年度と15年度の企業立地動向を調査して、工場跡地が活発に利用されていることが分かった


▼GLP㈱(グローバル・ロジスティック・プロパティーズ。本社東京都)が神奈川県座間の自動車工場跡地にマルチテナント型物流施設を設置。アマゾンジャパン・ロジスティクス㈱(本社東京都)も、ジーエス・ユアサコーポレーション小田原事業所跡地に物流センターを稼働させている。山梨県内では、穀物会社の㈱はくばくが旧パイオニア㈱工場の土地建物を購入して生産ラインを増強した


▼同局によると、交通アクセスが良く規模が大きい好条件の産業用地は関東圏では不足気味という。そのため初期投資を抑制できるなどの理由で工場跡地が注目された。特に物流関連施設は交通アクセスや労働力確保が重要で、海外移転により発生した大規模工場の跡地は敷地が広く、撤退工場で雇用していた労働力があり立地が進んだ。製造業では、国内生産拠点の再編が進展したため多くの空き工場が発生し、活用された


▼工場跡地への立地は、進出企業のニーズと現状施設の状況が合致すれば、資金力が弱い企業でも可能となる。一方で、初期投資が少ないと思われる「居抜き物件」でも予想以上に改修費用が掛かり要望に合わない場合も多いという


▼「地方創生」の掛け声により各地の自治体が企業誘致へ動いている。その足掛かりとなる工場跡地。さらなる活用のため、立地希望企業の初期投資や維持管理費対策として、自治体による税優遇などの支援策が考えられると同局では指摘。今後の跡地活用への取り組みが期待される。(山梨・MK)


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