コラム

2015/09/16

技術職員確保への取り組み(埼玉・SW)

技術職員確保への取り組み


▼建設業に限らず、どの業界でも優秀な人材の確保には苦慮している。より魅力を感じる職場へ、優秀な人材からの転職が後を絶たない。当然、勤労者にも生活があり、雇用者側が感情だけで引き留めるのは無情。できる限りの譲歩を提示し、それでも去るのなら仕方ないと割り切る気持ちが必要だと思う


▼人材確保は自治体の技術職員にも当てはまる。埼玉県所沢市でも例年、技術職の受験者数が少なく頭を悩ませてきた。そこで2015年度採用での技術職員確保に向けた採用案内パンフレットを作成した。就職活動中の学生に市の技術職員を志望先としてもらうため、業務や魅力をまとめた。市によると技術職員の業務や魅力の周知に特化したパンフレットは県内初という


▼イラストと写真をふんだんに取り入れて分かりやすいよう仕上げた。実際に技術職員が携わった主要公共事業を盛り込み、技術職の仕事の成果を分かりやすく紹介。技術職員の生の声を取り上げ、仕事している自分をイメージしやすく工夫している。パンフレットは市ホームページからダウンロードできる


▼また知識よりも人物本位での採用を目指しているとし、15年度からの変更点として技術職員の教養筆記試験を行わないとした。一方で新入社員の選考手法の一つとして民間企業でも多く採用されているエントリーシートを導入。公務員試験対策は不要という。さらに代理人による受験申し込みを可能とした


▼これらの効果がどの程度発揮されるかは分からないが、いわゆる民間企業からの引き抜きではなく、自治体が人材を育てるという観点からも興味深い。長い目で注目したい。(埼玉・SW)


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