コラム

2015/10/09

駅のトイレは少ない(東京・HM)

駅のトイレは少ない


▼建築物を建てる時、トイレの数は一体どうやって決めるのか。利用者数に対して、このくらいあれば大丈夫という経験値的なものなのか。しかし、想像するだに難しそうだ。利用者数と言っても、滞在時間によってトイレの利用率は変わるだろう。適正数というは簡単に出るのだろうか


▼どうしてこんなことが気になったかと言えば、よく思うのだが、駅のトイレの数は足りなくないだろうか。大体行列ができている。特に大きな駅ほど、その傾向が強い。ほかの、例えばショッピングセンターのような建築物と比べて利用者の割りに少ない。あれは、駅というものが元々プラットフォームで成り立っていた、土木構造物だからだろうか。その時代の、トイレは付属物という名残りなのか


▼建築物の使い勝手は、建物そのものより、設備によるところが大きい。トイレしかり、空調しかり、電気しかり。それらが動線を含めて、いかに使いやすくなっているか、で決まる


▼しかし、建築工事は完成したら引き渡して、終わる。後でトイレが足りない、と思っても大規模リフォームでも待つしかない。施工者からすれば、なかなか反省点を見出し、次に生かすことができにくいのが現状ではないか


▼建築物は誰のものか、と問われれば、もちろん持ち主のものだが、誰のためのものか、というとそれは利用者のためのものであろう。持ち主が満足するより、利用者の満足が最優先されるべきだろう。最近は、維持管理も含めた包括発注という言葉もよく聞くようになった。引き渡したら終わり、ではなくなる。利便性の向上にもつながることに期待している。(東京・HM)


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