コラム

2015/10/14

自転車天国も道半ば(山梨・HK)

自転車天国も道半ば


▼オゾン層の破壊、地球温暖化、排ガス規制などなど。環境問題がクローズアップされている昨今にあって、化石燃料を使用せず、身体にとって適度の運動となる自転車が人気だ


▼鮮やかな色彩のウェアに身を包みさっそうとロードバイクで幹線道路を駆ける姿や、スーツを装いバックパックを担いで朝のビジネス街の人並を通り抜ける姿も真新しいものではなくなった。1台数十万円の定価のバイクに対して、さらに投資して自分だけのカスタム車を手に入れる強者も存在し、都会ではシャワーや着替え用のロッカーを備えた駐輪施設もあると聞く


▼湧きあがったブームに便乗して市民権を得た感じのある自転車乗りであるが、一部の輩の行儀の悪さが原因となったのか、6月の道路交通法の改正では矢面に立たされた感が拭えない


▼確かに、携帯電話やスマートフォンの操作に気を取られたり、ブレーキの無い自転車走行での事故が報告されている。どこの世界にも常軌を逸した行動を起こす者、モラルを問われる行動を行う者は後を絶たない。乗り手に対するプレッシャーが増してきても、真面目なライダーにとってはどこ吹く風と言ったところか


▼それにしても、自転車愛用者にとって道路施設の現状は決して恵まれているとは言えない。ドライバー側から見ても、路肩を通行する自転車へのヒヤヒヤやイライラの場面は枚挙にいとまがない。「真に必要な事業」「選択と集中」は次年度予算の編成の折には決まって登場する常套句。厳しい財政状況のなかでも、未然に事故の芽を摘む意味で、自転車専用レーンの整備を急ぐべきだ。中国ではとうに整備されている。(山梨・HK)


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