コラム

2015/10/21

新・3本の矢に望むこと(群馬・MY)

新・3本の矢に望むこと


▼矢ではなく、的ではないか。9月、自民党総裁に再任された安倍総理が示した、新・3本の矢のことである。アベノミクスの第2ステージと銘打ち、『希望を生み出す強い経済』(GDP600兆円の達成)、『夢をつむぐ子育て支援』(出生率1・8など)、『安心につながる社会保障』(介護環境の整備や高齢者の活躍)―が掲げられた


▼それでは、旧・3本の矢とは何だったか。長期にわたるデフレ脱却を目指した①『大胆な金融政策』②『機動的な財政政策』③『民間投資を喚起する成長戦略』―。①で円高が是正され、株価も上昇。②には建設業界も深く関わり、震災復興、災害対策や老朽化インフラの整備といった国土強靱化は現在も進行している


▼なかなか顔を見せない③の矢について、巷では「日本経済のひざに刺さっている」や「失われた矢」など冷やかしも聞かれたようだが、いよいよこれから景気回復と待ち望んでいた矢先、新・3本の矢に取って代わられてしまった


▼もともと3本の矢は、戦国大名・毛利元就が3人の息子に団結を説く逸話。3人が一致結束すれば強敵にも負けないぞという教えを考えれば、安倍総理の3本の矢も3本そろって効果が発揮されるはず。新3本の矢は、旧・3本の矢で撃ち抜くべき的であろう


▼何より、国土強靱化も道半ばだ。関東・東北豪雨や北海道東部を襲った大型低気圧による浸水被害などを見れば、ハード整備により被害を最小限に抑える手だてはある。関ヶ原の合戦で西軍総大将となった元就の孫・輝元は、諸将をまとめきれず敗戦した。新内閣には、とにかく全矢をまとめ上げ、その実行を望む。(群馬・MY)


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