コラム

2015/10/23

今求められる最大政策とは(山梨・MK)

今求められる最大政策とは


▼関東・東北豪雨災害で茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊して甚大な被害が生じてから1カ月あまり。濁流の恐ろしさを目の当たりにした私たちは、被災から何を教訓としなければならないのか


▼山梨県建設業協会は豪雨災害の直後、麻生太郎財務大臣に対して本年度大型補正予算の早期編成と2016年度公共事業関係予算の増額確保を求める要望書を提出した。提出の後、同協会の浅野正一会長は要望の狙いについて「山梨県にも河川や道路、砂防で多くの危険な箇所があり、早急な対策が必要である。県民の安全・安心を守るためにも、予算付けをしていただきたいとお願いした」と趣旨を語った


▼要望活動の背景には、一段と厳しい県内経済情勢もある。山梨県内では、前年度に国の経済対策に伴う補正予算額が大幅に落ち込んだ影響で、本年度の公共事業費が大幅に減少。県内建設業は工事量減で深刻な状況にある


▼豪雨災害後に開かれた山梨県議会の土木森林環境委員会。委員からは、県内の河川などが安全な状態であるのかの質問が相次いだ。さらに県内建設業の厳しい状態を訴える委員も。県議会は、早期の経済対策を国が策定するよう働きかけることを求める意見書を定例会最終日に議決。後藤斎知事へ提出した


▼県民の安全・安心を守れと言われても、それを担う地域の建設業の屋台骨が揺らいでいれば、だれがその任を担うのか。生活する人の安全・安心を守るために予算を確保すること。それを実施する地方の建設業の経営を支援すること。補正予算の編成の話も聞こえてきたが、いま最も必要とされている政策ではないだろうか。(山梨・MK)


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