コラム

2015/10/24

最後は自らの判断で(東京・KK)

最後は自らの判断で


▼9月に発生した関東・東北豪雨災害は茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊をはじめ各地に大きな被害をもたらした。鬼怒川に関しては住民から堤防決壊を想定していなかったという声が聞かれたが、堤防整備に向けて国が用地買収に着手した矢先の出来事でもあった


▼隣接市に自宅がある石井啓一国土交通大臣は就任会見で「地元の声で非常に印象的だったのは鬼怒川が決壊するとは誰も思っていなかったこと」と発言。最近の災害は従来の想定を超える場合が多いため、「災害がないだろうと思っていたところの住民は、なかなか早めに避難ができなかったこともあるらしい」とし、防災意識啓発の必要性をあらためて指摘した


▼国土交通省は近年雨の降り方が明らかに変化していることを「新たなステージ」ととらえ、過去最大規模となる最悪の事態の洪水想定を行うことで、命を守り、社会経済の壊滅的な被害を避けるため、ソフト対策を中心に防災・減災のあり方をまとめた。また9月の豪雨を踏まえて10月には「避難を促す緊急行動」として首長が避難の時期や区域を適切に判断するための支援策を示した


▼豪雨災害は突然発生する地震とは異なり、避難勧告や避難指示を受けて安全な場所へ避難するまで時間的な余裕がある。そのため首長による判断が重要となるが、住民も自らが危険を察知して避難ができるように備える必要がある


▼情報通信技術の進化により、数年前とは比較にならないほど多くの情報をリアルタイムで簡単に取得できるようになった。ただ危険を想定し、最後に避難の判断を下すのは自分自身であることを忘れてはならない。(東京・KK)


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