コラム

2015/10/27

十人十色の子どもたち(茨城・EM)

十人十色の子どもたち


▼先日、子どもの通う小学校で運動会が行われた。6年生の娘にとっては小学校生活最後の運動会。当人以上に意気込んで応援に臨んだが、個人のメーン種目である「かけっこ」は、3年生の息子ともども最下位に。ある意味、記憶に残るラストランとなった


▼娘は、昨年の運動会で生涯初の1等賞となったことを引っ張り出し「ことしは1ランク早い友達と走ったの。言ってみれば成長の証ね」と、分かったような分からないような解説。息子にいたっては完全黙秘を貫き、見かねた義父の「逆から数えれば1番だな」という精度を欠いた援護射撃に逆上するという始末


▼それでも、軽快なダンスや統制の取れた組み体操など、十分に成長を感じさせてくれる内容であった。少しでも活躍してほしいと望むのは親心だが、1位がいれば最下位がいる。当人たちの思いはさておき、感慨深い運動会であった


▼以前、タイル張工の「現代の名工」に話を聞く機会に恵まれた。伝統工法を守る一方で、絶えず技術の改善、開発に挑戦。石工事や左官工事にも取り組むなどし、卓越した技能を修得した。現在は、子どもたちにタイルの魅力を伝えるため、モザイクタイル画の製作指導や、小中高校生の職場体験を受け入れるなど、後進の育成に力を注いでいる


▼名工は言う。「勉強ができない子がいれば、運動が苦手な子もいる。そんな、まだ自分の才能を見つけられない子どもたちにこそ、つくることの楽しさを伝えたいんだ」。十人十色の子どもたち。自分が得意なこと、好きだと言えることを、早く見つけられればいい。そのために私たち大人ができることは、まだまだあるはずだ。(茨城・EM)


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