コラム

2015/11/10

風邪と動物憑(つ)き(埼玉・HK)

風邪と動物憑(つ)き


▼なかなか完治に至らない、しつこい風邪が流行しているようだ。先日、その風邪にかかり、2週間ほど咳などの諸症状が続いた。最も体調が優れなかった日の前夜、体温が39度を上回り、悪寒から逃れるため布団に包(くる)まっていた。朝起きると、最寄の病院に駆け込んだ。検査の結果、高熱のため家で休むよう促された


▼食事ものどを通らず、処方された薬を飲んで寝てしまおうと思い、床に入った。しかし、眠りについてもすぐに寒気、発汗、頭痛が原因で目を覚ましてしまう。そんな状態を繰り返していたため、午後には意識障害の兆候が出はじめた


▼現実と夢、同時に2つの世界に存在しているような感覚に陥る。じきに夢の世界が崩壊をはじめ、不快感に襲われて目を覚ます。その後、極限に至ると、わけのわからない言動をしはじめ、その様子は『きつねに憑かれた』ようだったという


▼きつね憑きは人が妙なことを口走ったり、おかしな動作をすることを指す。動物のそれとは違い、姿は見えず、突然人に取り憑き、惑わす。似たような話として、徳島県を中心に四国地方に多く伝わっている『たぬき憑き』もある。憑かれた者は突如として大食いになり、腹が膨れるものの、徐々に衰弱していくという。最近の体重増加を考えると、両方に憑かれてしまったのではないかとうんざりする


▼その昔、あらがうことのできない病に対する恐怖が、きつね憑きやたぬき憑きなどの民間信仰を生み出したのだろうと分析している。きつねとたぬきの仕業かどうかはさておき、体調不良の時期を経て、日々の摂生は重要だと痛感している。(埼玉・HK)


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