コラム

2015/11/19

知って欲しい建設業の姿(茨城・HN)

知って欲しい建設業の姿


▼関東・東北豪雨でも当初、注目されたのは自衛隊や警察官だった。彼らが人命救助に関わる仕事をしているのと同様に、建設業者も、住民の暮らしを守るため奮闘している。それは事故と災害を未然に防止する基盤整備であり、災害発生時の緊急整備である。だがこのような取り組みに、一般の人の認識はいかほどのものか


▼日経コンストラクションが東日本大震災の翌年に行った建設業界のイメージ調査では、一般の回答418人のうち約4分の3が、談合が広く行われていると答え、世間が建設業界に対していまだに負のイメージを根強く持っていることが明らかになっている


▼地元建設業者は、洪水の時、割り当てのボランティアで堤防を懸命に死守している。深夜に機械で水を汲み、土のうを積むなど大変な作業をこなす。冬場には、凍結して危ない道路に融雪剤を蒔き、交通事故の防止に貢献している


▼請負工事ではあるが、その額はボランティア並みで、決して十分なものとは言えない。十分な災害復旧や未然防止活動が出来るのも、適正な価格での受注があってはじめて成り立つ。低入札の受注では厳しい経営を強いられ、地域を守るための活動縮小が懸念される


▼悲観的な話になりがちだが、マイナビが昨年卒の大学4年生など4209人を対象に行った建設関連のイメージ調査では、就職活動を通じて良いイメージに変わったと答えた学生が、過半数を上回った。内容を知ってもらえば、決して悪い業界ではない。本年度から普通科の高校生を対象とした茨城県建設業協会による就業体験が始まった。業界の地道な活動が奏功することを期待する。(茨城・HN)


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