コラム

2015/11/27

”安全第一”と口にして(茨城・HS)

”安全第一“と口にして


▼高齢者の運転による自動車交通事故が増えている。先月には宮崎県宮崎市と愛知県知多市で発生し、多くの犠牲者が生まれた。いずれも70を超えた高齢者による運転だ


▼宮崎市では中心市街地で軽自動車が暴走し7人が死傷。運転者は数年前から認知症の治療を受けていたことが明らかになった。知多市では、和菓子店にワゴン車が突っ込み3人が重傷を負った。こちらはブレーキとアクセルの踏み間違えという、高齢者に多い事故だった


▼平均寿命が伸びた昨今、車に乗り続ける人は多い。75歳以上の高齢者には3年ごとの免許更新時に認知機能検査が行われ、過去1年間に認知症によるとみられる交通違反がなければ医師の診断なしで更新できるようになっている


▼公共交通が発達した都市部ではバスや鉄道を利用すればよい。ところが、車が生活必需品である地方ではそうもいかない。近くに食料品店がなく、バス停も遠いとなると、必然的に車に頼らざるを得なくなる。各自治体はタクシーなどの割引券を配布しているが、便利さでは車に軍配が上がる。問題の解決には高齢者が車を運転せずに済むような環境の整備を進めていくしかないだろう


▼もちろん、交通事故は誰にとっても身近なものだ。自分は起こさないと思っていても、ふとした油断が大惨事につながることもある。企業の安全大会でも毎年のように交通事故に対する注意が話題になる。そのことは読者の皆さんが一番良くわかっているだろう。これから年末にかけて忙しさが増す。そんな時は一度手を止め、『安全第一』と口にしてみるといい。言葉は強い力を持っている。(茨城・HS)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら