コラム

2015/12/08

加速するインフラロボ開発(茨城・EM)

加速するインフラロボ開発


▼厚生労働省が発表した9月の全国有効求人倍率(季節調整値)は前月から0・01ポイント上昇し1・24倍。1992年1月以来23年8カ月ぶりの高水準となった。少子高齢化により、全産業的に将来の労働力不足が懸念されている。産業間での人材の取り合い、引き抜きは今後激しさを増すだろう


▼そんな中、国土交通省は次世代社会インフラ用ロボット開発の取り組みを加速している。労働力の補完はもちろん、老朽化対策や大規模災害への対応といった課題も踏まえ、産学の開発を支援する形で早期の実用化を目指す


▼一昨年12月には経済産業省と共同で、橋梁・トンネル・ダムおよび河川の維持管理、災害状況調査、災害応急復旧という5つの重点分野を決定。昨年度から各項目に対応できるロボット技術を募り、直轄現場などで検証・評価を行っている。この結果を踏まえ、来年度には試行的導入を行う予定だ


▼先日、国土技術政策総合研究所で行われたトンネル災害状況調査分野の現場検証。敷地内にある実大トンネルの中を、さまざまな形態をしたロボットが駆け回った。途中設けられた悪路や遮蔽物をものともせず、リアルタイムで坑内の映像をパソコンに届けていた


▼人の立ち入りが困難なトンネル災害の現場。ロボット技術が実用化されれば、これまで以上に迅速かつ的確な判断ができ、早期の人命救助や復旧につながる。災害対応は建設産業が果たすべき大きな役割の一つ。欲を言えば、「次世代ロボ」というキャッチーな単語をきっかけに、崇高な使命がより広く国民に伝わればとも思う。期待は大きく膨らむ。(茨城・EM)


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