コラム

2015/12/11

本が売れない理由(長野・SK)

本が売れない理由


▼洋服や日用品は惜しげもなく捨ててきたが、絶対捨てられないものがある。それは本だ。読み返すことのない本が、棚にギッシリ詰め込んである


▼近年はPCやスマホなどのデジタル機器の浸透で、読書スタイルは大きく変化してきた。大手書店に立ち寄ると、電子書籍コーナーが目に付く。電子書籍について店員に聞くと、把握していないのか「本をお買いになった方が良いのでは」と、理解していない様子だった


▼インプレス総合研究所の発表によると、電子書籍の2014年度売上は前年比35%増の1、266億円と、急速に増加している。中でも電子コミックが41%を占める。19年度には2900億円規模へ成長すると予測。この影響か、全国書店数は1999年から14年の間に37・5%も減り続け、1万3943店舗になった。しかし、それが「近年は本を読む人が少なくなった」ことでもないようだ


▼理由の一つとしていえるのは、公共図書館の存在だ。14年の全国個人貸出総数は約5億5千点と年々増加。これは店舗販売を上回ったとされる。日曜祝日も開館し、市民の集いの場として兼ね備えているため、利用者が増えた。本年の全国図書館大会で、新潮社の佐藤隆信社長が「売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸出しにある」と発言したニュースがあった。愛読者にすれば、図書館は有難い存在なのだが


▼コミック、文庫は根強いファンがいる。児童書は相変わらず高い数値。雑誌、文芸、新書は年々下がり続けている。雑誌出版社は直販やオリジナル付録で販売に力を入れる。婦人雑誌を買ってみると素敵なポーチが付いていた。(長野・SK)


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